〔J3第11節:鹿児島vs.G大阪U-23〕レポート:「良い守備から良い攻撃」を体現した鹿児島。劇的逆転勝利で暫定3位へ。

  • 全得点に絡む活躍で、攻守に渡ってチームを牽引した赤尾公選手。鹿児島にとってその存在は大きい。
  • 明治安田生命J3
  • 第11節  
  • 鹿児島
  • G大阪U-23
  • 24分野田裕喜(G大阪U-23)
  • 41分中原優生(鹿児島)
  • 75分赤尾公(鹿児島)
  • 82分山田裕也(鹿児島)
  • 鹿児島県立鴨池陸上競技場
  • 2016年5月29日13:01

あいにくの雨模様となったJ3第11節。前節は惜しくも引き分けたものの4戦負けなしとした鹿児島は、ホーム鴨池陸上競技場にG大阪U-23を迎えた。
G大阪U-23は、個々の能力の高さと鋭いパスワークを持ち味とする、高い攻撃力を持つチームだ。注目は得点ランク2位タイにつける17歳のMF堂安律。ベンチ登録は4人と少ないものの、ベテランの二川らが控えており、油断ならない。
対する鹿児島は、前節ボランチで出場した吉井に代わりボール奪取に定評のある高野が先発。
フォーメーションは両チームとも4-2-3-1を採用。降りしきる雨の中、G大阪U-23のキックオフで試合開始となった。

開始直後から、鹿児島はいつも通り積極的にプレッシャーをかけていくが、G大阪U-23はこれをことごとくかわしてボールを運んでいく。
前半3分、G大阪U-23は、左サイドから切り崩すとペナルティエリアの外からDF平尾がこの試合最初のシュートを放つ。これはゴール上へ外れたが、鹿児島は相手のパスワークに翻弄されこの後も度々ピンチを迎える。
G大阪U-23は斜めに走り込みながらスペースを突く動きを繰り返し、11分に堂安、13分には高木が決定的なシュートを放つが、いずれもGK山岡がスーパーセーブでゴールを許さない。
しかし迎えた24分、コーナーキックからのシュートを一度は山岡がセーブしたものの、セカンドボールをDF野田に蹴り込まれ、0-1とリードを許してしまう。

しかし、ここで意気消沈する鹿児島ではなかった。
浅野監督は、相手の攻撃を警戒して下がり気味になっていた両サイドの永畑、五領にもっと高い位置でプレーするよう指示。その動きに連動するように、鹿児島の選手たちは再度前線からボールを奪いに行ったのだ。
一度は突破されたプレスだったが、赤尾が試合後「相手の攻撃にだんだん慣れてきた」と語ったように、鹿児島は相手の動き出しやボールの動きに徐々に対応し始め、コンパクトな守備でスペースを潰してパスコースを限定。さらに相手のクサビのパスに対して、水本、田中の両CBが積極的に前へ出てカット。相手に起点を作らせないことで、攻撃を封じこんでいく。すると、少しずつ高い位置でボールを奪う場面が増え始め、カウンターから何度もチャンスを作り出した。
G大阪U-23は、得点後の時間からディフェンスラインの前にスペースができやすくなっており、ここに鹿児島の前線4人が入り込むことでボールをキープ。そこからボールを散らし、両SBもオーバーラップしてサイドから崩していく。失点以降、鹿児島が分厚い攻撃で試合のペースを握っていった。
そして41分。藤本がキープしたボールを受けた五領が右サイドからクロス。中央で待ち構えていた赤尾からボールは中原へ。中原はGKの位置を見ながら、伸ばした手の外側を巻く技ありのシュートでゴールネットを揺らし、試合を振り出しに戻す。

前半を1-1の同点で折り返したが、押せ押せムードの鹿児島は、後半も変わらず全員でプレスをかけ続け、ボールを奪ってはカウンターを繰り返す。
対するG大阪U-23も二川を投入するなどし対抗するが、流れは変わらない。
速攻からチャンスを作りかける場面もみられたが、鹿児島は「奪いに行くところ」と「遅らせるところ」判断が良く、チャンスの芽をことごとく潰して決定的な場面を作らせなかった。

そして75分、相手のクリアミスを拾った田上がペナルティアーク付近の赤尾へパス。ボールを受けた赤尾は、落ち着いてDFをかわしながら左足一閃。ポストをかすめたボールがゴールへ叩き込まれると、観客席は割れんばかりの歓声に包まれた。赤尾のJ初ゴールは、雨の中応援に駆け付けたサポーターの喜びを爆発させる、貴重な貴重な逆転ゴールとなった。
この後もG大阪U-23は諦めることなく闘ったが、82分鹿児島はファウルで得たフリーキックから、赤尾の絶妙なボールに途中交代で入った山田が頭で合わせ、3-1と突き放して勝負あり。
鹿児島が5戦負けなしで暫定3位に浮上した。

劇的な逆転勝利を飾った最大の要因は、失点後も恐れることなく積極的な守備を貫けたことに他ならない。攻撃に繋がる守備を徹底し続け、手数の少ない速い攻めで崩してゴールを奪う。浅野監督が常に口にしてきた、「良い守備から良い攻撃」を体現するような試合だった。
今節も1失点こそしたものの、SC相模原と並んでリーグ最少失点の地位を保っている鹿児島。
「堅守のチーム」と言われると、「地味なチーム」というイメージを持つ方もいるだろうがそんなことは決してない。
選手全員が連動し果敢にボールに喰らいついていく様は迫力抜群で、そこから繋がる攻撃の期待感も試合を重ねるごとに増してきている。何より、すべての選手が90分間を通してハードワークし続ける姿には、観る者を感動させるものがある。
今、鹿児島は間違いなく面白い。

徳重剛代表(鹿児島)は、先日の会見でJ2ライセンスの申請を目指していることを明らかにした。
ハードルは高いかもしれないが、もしライセンス交付が実現すれば、順位次第でJ2への道が開けることになる。
そのためにも、もっと多くの人に観てもらいたい。もっと多くの支援をしてもらいたい。
鹿児島は、それだけの価値のあるチームに成長してきている。

   

   

  • この日の試合前にも、選手たちによる募金活動が行われた。
  • 雨の中でもサポーターは元気いっぱい。会場入りするチームを声援で後押しする。
  • ガンバサポーターも多数来場した。試合に向け気合十分!
  • 試合前、雨の中でも行列のできていた大人気ケバブサンド。まさに「サンドと言わず何度でも」食べたくなる味だ。

Reported by 川畑究無



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