リーグ戦は4連敗と、残留争いにおいて厳しい状況から抜け出せずにいるが、ここから天皇杯、YBCルヴァンカップ準々決勝とカップ戦が続く。「チームの流れは悪いが、カップ戦で勝って、流れを変えてリーグ戦に戻りたい」と話したのはDF堤俊輔。28日の天皇杯1回戦は、J3の鹿児島ユナイテッドFC(鹿児島県代表)をレベルファイブスタジアムに迎えて行われる。
鹿児島は現在、J3で2位。J2自動昇格となる1位の栃木SCを勝点「6」差で追い、直近3試合負けなしと勢いもある。そして監督は、福岡で2010~11年にヘッドコーチ、監督を務めた浅野哲也氏。当時、浅野監督とともにJ1昇格とJ2降格を経験した末吉隼也は「とにかくテツさんはサッカーが好き。当時もずっと海外の試合を録画して観ていたし、試合前にスタジアムまで移動する際のモチベーションビデオを作ってくれていた。選手とのコミュニケーションを取るのが上手いと思う」と浅野監督について語り、鹿児島のサッカーについて「J3でも結果を残しているし、良いサッカーをしている」と話した。
前線のFW藤本憲明はJ3得点ランキングトップタイ(9得点)、中原秀人の弟・MF中原優生も同ランキング8位タイ(6得点)と結果を残しており、井原正巳監督も「シンプルで切り替えが速く、得点源の前線2人に加えて、両サイドもスピードがあってアグレッシブに来る印象。向こうはJ1相手に高いモチベーションで来ると思うので、足元をすくわれないように、気持ちの部分はしっかりと入りたい」と鹿児島について警戒すべきポイントを語った。
福岡は天皇杯の後、中2日でルヴァンカップがあるため、今回はリーグ戦のメンバーから大幅な入れ替えがありそうだ。お互いに出場すれば、兄弟対決となる中原秀は「チームの状況にしても、自分の状況にしても、勝ってから楽しかったと言えたらいいですね」と話す。中原秀はトップ下など攻撃的なポジションでの出場も予想され「相手の嫌なところや、自分が得意とするゾーンでプレーしたい。練習でやっていることを、しっかりと出したい」と意気込みを語る。
鹿児島の前線からのプレッシャーに対し、福岡がどう交わして攻撃を組み立てるかは見どころの一つ。シンプルに背後へパスを出すだけでなく、中原秀を中心に前線の流動性でボールをつなげるか。受けて立つのではなく、相手のプレッシャーを利用するくらいの賢さを持ってゲームを圧倒できれば、その後のカップ戦やリーグ戦にも好影響を与えられるはずだ。
Reported by 新甫條利子