〔J1 2nd第10節:鳥栖vs.新潟〕レポート:ワンプレーが明暗を分けた試合。しかし、お互いにやるべきプレーを貫いた内容だった。

  • いくぶんか暑さは和らいだが、試合内容はどこをとっても熱かった。
  • 明治安田生命J1
  • 2nd第10節
  • 鳥栖
  • 新潟
  • 64分豊田陽平(鳥栖)
  • ベストアメニティスタジアム
  • 2016年8月27日19:04

ミスをしたくてプレーする選手はいない。外したくてシュートを打つ選手もいない。
味方にパスをつなぎ、得点を得るためにシュートを放つのがサッカー。
しかし、その思いを同じくする相手がピッチの中にいるものサッカーで、思いは同じでも狙うゴールは正反対である。
だから、「事故が結果を分ける」(吉田達磨監督/新潟)こともあるわけで、観ている人はそこに一喜一憂するのである。
今節の鳥栖対新潟は、ワンプレーが結果に明暗をつけた試合だった。

「最初の20分はとてもいい形でスタートすることができましたが、不注意なプレーから相手のCKが続いたりしました。ハーフタイムに入る前にはいい状態に戻して、後半もいいスタートが切れました・・・(中略)・・・後半は相手に何もさせていない」とフィッカデンティ監督(鳥栖)は試合の流れを振り返った。
対する吉田達磨監督(新潟)は「前半は攻め急ぎたところもあり・・・(中略)・・・徐々に自分たちの時間になってきて前半を終えたという焦りが、勝点や順位といった圧力とともに気持ちを焦らせたことは否めないと思います」と表現した。
言葉こそ違うが、両指揮官は同じ流れを試合の中で感じていた。
その流れから結果を分けたのは、64分の新潟のFKだった。
新潟DFから蹴られたボール(公式記録はクリアとなっている)は、直接鳥栖のMF福田晃斗にわたり(公式記録はカットとなっている)そのボールを受けた豊田陽平が決めて決勝点となった。

吉田達磨監督(新潟)のいう新潟の置かれている状況による焦りもあっただろうし、時間経過の中での焦りもこの結果には作用しただろう。
しかし、相手のセットプレーからの逆襲を考えていた福田晃斗の気持ちも大きな要因と言える。

このシーンについては、福田晃斗の狙いを称賛しないといけない。そして、「失点は何かしらのミスが必ず絡んでいるもので、誰がどうのこうのということではなく自分達がカバーしていかないといけない」(レオ シルバ/新潟)のである。
冒頭に述べたが、同じ気持ちでピッチに立つ選手たちだが、狙うゴールはチームにより違うわけで、これによりサッカーが成立しているのである。
たった一つのプレーだが、そこに含まれる思いは関わる人の状況により大きく変わる。
あのシーンを見た後に、監督、選手のコメントを聞くと、一概に評価も批判も簡単にできないことに気付く。
試合だけでなく、試合に臨むまでの選手たちの努力と試合後のそれぞれの思いを聞くと、サッカーの奥深さを知ることができる。
まずは、両チームの選手、関係者の労をねぎらいたい。

この試合の結果を受けて、鳥栖は首位との勝点差が1となった。まだ、残り試合は7試合あるが、素直に今の状況を喜んでおきたい。
これから戦う相手は、一筋縄ではいかない相手ばかりである。
フィッカデンティ監督は、「次の試合を勝つために最高の準備をする」といつもと同じコメントを残した。
今の鳥栖の強さはここにあるのだろう。
次節のことはとりあえずフィッカデンティ監督に任せておいて、我々は素直に喜んでおこう。

プレーの正確さはどこから生まれてくるのであろうか。
日頃の練習からなのか、冷静な判断からなのか、ノープレッシャーだからであろうか。
そのいずれも必要だが、試合中は相手と戦っているわけで、冷静にしないといけないことはわかっていてもなかなかできるものでもない。
争点で何かのアクシデントが起きても、当事者以外はその沈静化を図れるようにしたいものである。
日本サッカー協会が掲げる『リスペクト』(http://www.jfa.jp/football_family/respect/)を再度読み返しておきたい。
サッカーは、一人では成立しないスポーツなのだから。

   

   

  • 「一試合一試合のための準備を」と次節に目を向けるマッシモ フィッカデンティ監督(鳥栖)
  • 「選手は責められない」と吉田達磨監督(新潟)は振り返った。

Reported by サカクラゲン



広告のごあんない
ニュース 月別アーカイブ 最新のニュース サイト内検索



  • trinita.eye
  • kumamoto football journal
  • オラデジ