昨日、バンコクの街はイングランド・プレミアリーグ一色であることをレポートしたので、今日は是が非でも『トヨタプレミアカップ2014』の盛り上がりを観ようと一足先に会場近くに行ってみた。
バンコク・スカイトレイン(BTS)で会場となるスパチャラサイ国立競技場に到着。
ホームから見えるスタジアムに期待値だけは急上昇・・・
駅から徒歩数分のところにあるスパチャラサイ国立競技場。
国立というだけあって威風堂々としたスタジアムである。
入口には、『トヨタプレミア2014』のバナー(と言うよりもビッグフラッグと言った方がイメージは近い)と看板が飾ってあり道行く人に告知をしている。
でも、これだけしかない・・・
BTSにも、市場にも、会場近くのレストランにもポスターらしきものを見ることはなかった。
あれだけ国民を熱狂させているサッカー。生活の一部と化しているサッカー。
確かに、街にはイングランド・プレミアリーグのレプリカを着た若者やステッカーを張った車は多いのに、会場近くですらバナーと看板しか見ることができない。
試合前日だからかもしれないが、少しだけ不安が横切った。
ならばと、夜にタイ・プレミアリーグを観戦することに決めた。
サッカー熱がどれくらい高いのか、リーグ戦会場で確かめることにした。
選んだカードは、タイ・プレミアリーグの中でも実力も人気も高いSCG MUANGTHONG対BURIRAM UNITED戦、
タイ・プレミアリーグの2強対決と言っても過言ではない組み合わせである。
キックオフ2時間前には、会場となるアントーンターニーにあるSCGスタジアムは大熱狂に包まれていた。
発売と同時に完売となる人気カードチケットを知人に取っていただいてキックオフを待った。
試合開始は現地時間19時、開始早々にホームSCG MUANGTHONGのエースストライカーが倒されPKをゲット。これを決めて会場のボルテージは一気に最高潮に達した。
終わってみると1-1のドローと言う内容だったが、Jリーグと少しだけ違うところをいくつか感じ取ることができた。
まず、試合前後にアウェイサポーターからホーム側サポーターへエールを送り、それに会場全体のホームサポーターが拍手とエールで返すことだ。会場一帯で、お互いに士気を高めているように見える。
そして、アウェイ側の選手交代でも引き揚げてくる選手にホーム側サポーターが拍手を送っている。
FIFAが推奨するリスペクト精神が、国民性にもマッチして自然となされているのである。
ブーイングが起きてもすぐに終わり、ナイスプレーにはホーム・アウェイ関係なく歓声と拍手が起きる。
この日は、15000人ほどの来場者だったが、その誰もがサッカーを楽しんでいるのである。
サッカーの競技規則は万国共通である。
でも、それに基づいて行われるサッカーの試合の楽しみ方は国民性に大きく左右されるだろう。
勝つために試合を行うのは当たり前で、選手たちもそのために全力を尽くす。
そこに対するリスペクトの表現はさまざまであるが、“サッカーで楽しませて頂いた”事には間違いない。
バンコクの人たちがサッカーをいかにして楽しんでいるのか、なぜ生活の一部になっているのかを学ばせてもらった。
そして、どうすれば“サッカーを楽しく見ることができるのか”を本能で知っているのだろう。
言葉も文化も違う筆者も一緒になって楽しませていただいた。
これだけ、タイ・プレミアリーグが盛り上がっているのなら、『トヨタプレミアカップ2014』はリーグ代表の試合である。
期待値が一気に高まった。
この日の遅い夕食は、“タイ風焼肉”に。
ここでも、イングランド・プレミアリーグの試合が放送されていた。
焼肉と共に2つのプレミアリーグを堪能した一日だった。
Reported by サカクラゲン