〔J2第10節:熊本vs.千葉〕レポート:今季最多4失点で最下位に転落。それでもサポーターは歌い続けた。

  • 明治安田生命J2
  • 第10節
  • 熊本
  • 千葉
  • 5分 ネイツ・ペチュニク(千葉)
  • 15分 キム・ヒョヌン(千葉)
  • 70分 パウリーニョ(千葉)
  • 81分 キム・ヒョヌン(千葉)
  • うまかな・よかなスタジアム
  • 2015年4月29日 16:03

 5連敗。中2日で4位の千葉をホームに迎えた熊本は、今シーズン最多失点を喫して敗れ、今節勝った岐阜に抜かれ順位は遂に最下位となった。決定機と言っていい場面も作ったがネットを揺らせず、5試合続けて無得点という状況が重くのしかかる。同時に前節同様、序盤に先制点を与えてしまったことがその後のゲーム展開をより難しいものにした。

 千葉は熊本にセットプレーでの失点が多いことを見越して、またゾーンディフェンスで上手く対応できていない弱点も分析したうえで、先発の陣容と並びを変えて臨んだ。トップには189センチのネイツ・ペチュニク、トップ下に機動力のある町田也真人、そして右のアウトサイドにスピードのある田中佑昌を配し立ち上がりから圧をかけると、これが早速、ゴールに結びつく。まず5分、ボックス内に侵入した町田が熊本DFクォン・ハンジンのファウルを誘いPKを得ると、ペチュニクが左隅に決めて千葉が先制。さらに15分には、パウリーニョが蹴ったストレート系のフリーキックに大外からDFキム・ヒョヌンがフリーで合わせた。

 熊本はこの前後に齊藤和樹と平繁龍一のポジションを入れ替え、また36分にはミスの目立っていた嶋田慎太郎に代えて巻誠一郎を投入。「チームをポジティブな雰囲気にして、行けるんだという雰囲気を出すこと、右サイドは結構行けるのかなという印象だったので、相手の嫌がるところを意識してポジションを取った」と巻が振り返っている通り、早々にリードを許した熊本はある意味で割り切って(吹っ切れた、と言うべきか)、早いテンポでボールを動かし千葉を押し込む。しかし平繁が抜け出した42分の場面も得点には至らない。

 次の1点が勝負の分かれ目であることは、両指揮官も認識していた。千葉も決して2点のリードで引いたわけではなく、「相手が点を取りに来てアクションが早くなり、それをどうしても受ける時間帯になってしまった」(千葉・関塚隆監督)からである。58分には藏川洋平に代えて田中達也、さらに71分に養父雄仁に代えて常盤聡を送り出した熊本は、前半の流れのままにサイドから攻め、ゴール前にも人数をかけた。しかしクロスの精度が低く、また千葉も交代策を打ってバランスを整えて対応したことで反撃の1点は奪えず。逆に70分、右サイド深くまで運ばれたマイナスの折り返しをパウリーニョに決められ0−3。81分にも4点目を失った。

 「今の形(4−3−3)は比較的、間で受けてそこから流動性を持って(攻める)という部分では、プラスのところが多々あったと思う」と小野剛監督は言う。しかしチームのベースとなる守備でうまく連動できておらず、そのためマイボールにしてからもコンビネーションでフィニッシュまで持ち込む場面はーー前節と比べれば判断の早さや前への勢いが感じられたとは言えーー少なく、相手に怖さを感じさせる攻撃を表現できていない。加えて言うならば、キックやトラップ1つ1つの精度、奪われた後の切り替え、奪ってからの切り替え、パスの後に動くといった部分でさえ、できていない時間帯がある。

 この試合、ゴール裏のサポーターは前後半を合わせた90分間、休みなくぶっ通しでチャントを歌い続けた。試合後も選手達がメインスタンドに向かって挨拶を終えロッカーに戻るまで、そして選手バスがスタジアムを後にするまでずっとだ。下手なアーティストのライブより長いアクチュアルプレーイングタイムで、選手を、チームを鼓舞し続けた。選手達の耳に、胸に、それはきっと届き、刺さっている。勝つまで抜けないほど、深く。

 もう下はない。はい上がるしか、ない。

   

   

〔J2第10節:熊本vs.千葉〕プレビュー

〔J2第10節:熊本vs.千葉〕各種コメント・試合前写真

Reported by 井芹貴志



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