〔J2第16節:北九州vs.大分〕レポート:巻き起こした北九旋風。2連勝。風に舞い、太陽を浴び、さらなる上へ

  • 故・大内義昭さん(2013年2月23日、小倉北区)
  • 明治安田生命J2
  • 第16節
  • 北九州
  • 大分
  • 36分 小松塁(北九州)
  • 40分 原一樹(北九州)※PK
  • 45+1分 後藤優介(大分)※PK
  • 本城陸上競技場
  • 2015年5月31日 15:03

 選手が入場する際のアンセムとして応援歌「燃えろギラヴァンツ――太陽に向かって」が流れ、喪章を巻いた黄色い戦士たちが勇ましく歩み出していった。22日に逝去した北九州市出身の歌手・大内義昭さんが制作した力強い楽曲。「大内さんがイベントのあるたびに懸命に歌っていた姿は選手みんなが見ていた。それも大きな力になったんじゃないか」(柱谷幸一監督)。想いは宿った。北九州を愛した大内さんに捧ぐ、最高のゲームを舞った。

 週半ばまでは雨予報だったが、それを覆した快晴。土曜まで涙雨に濡れそぼったピッチは今や緑美しく、選手たちの向日葵色が美しかった。『――太陽が我等の道、照らしてるから。まっすぐに北九旋風、誇りにして』。日差しの中、そう綴った大内さんの愛情やぬくもりが本城を包んでいた。

 ゲームは前半で風下に立った北九州が着実の勝ちの流れを作り出していく。それはすなわち守備ファーストの意識と緩急のついたポゼッションでゲームをゆるやかに動かし、タイミングが合えば得点源となる矢のようなカウンターを効かすという複合サッカーだ。前半の早い段階から攻守の持ち味がうまく働き、大分にミドルシュート以外の選択肢を与えない一方、北九州自身もまた無理なチャレンジはせずにジャブを効かせていく。

 そういう状態で効果がいっそう高まったのがスピードに乗せた攻撃だった。36分、北九州は風間宏希がロングボールを右サイドの深い位置に落とすと、星原健太と競った大分DFが十分にクリアできずボールがこぼれてしまう。これを拾ったのが小松塁。背後の古巣サポーターが青波を作る中、体勢を崩しながらも振り抜いたシュートはゴールへと吸い込まれていった。「最後はギリギリのシュートでしたがうまく決まってくれて良かった」と小松。矢を射る速攻が花を咲かせた。
 さらに40分にはペナルティエリア内のハンドで北九州がPKのチャンスを得ると、原一樹が思い切りよくGKの読みとは反対の左に突き刺して追加点。その直後に大分もPKで後藤優介が決めるが、2-1と北九州のリードで前半を折り返す。

 迎えた後半も北九州の流れでゲームが展開。大分は早い時間から交代カードを切っていくが、試合のリズムが上向きになるというよりは、ボールを入れるか入れないかの判断がより中途半端になり推進力を欠いてしまう。「人が代わることでサッカーが変わる。プレッシャーがなかなか掛からなかったり、ボールを動かすところが前半と後半の最初ほどは動かなくなった」(田坂和昭監督)。大分がシンプルな供給に転換したのは残り10分を切ってから。のろしを上げるには時間が遅かった。リードを保った状態でブロックを作る北九州の堅守を崩すことはできず、2-1のままホイッスルを迎えた。

 大分は順位変わらず最下位のまま。ただ田坂監督は「前半いい形が出ていた」と振り返り、「最後を仕留める精度はトレーニングしていかなければいけない」と次に目を向けていた。「シュートを打てるところでも横パスしたりとか、そこはもうちょっと大胆でも良かった」とは最前線でプレーした風間宏矢。縮まり込まず、ひたむきにも大胆にゴールを目指していきたい。

 2連勝を飾ったのは北九州。大内義昭さんを悼むとともに、北九州の勝ちパターンを思い出したゲームになった。古巣との対戦となった小手川宏基は「チームとしてボールを回せていたし、いいシーンもあった。早い時間に点を取って勝ちの流れを作るというのをこれからもやっていきたい」と話し、疲れた表情にも少し笑みが浮かんだ。
 12位へとじわり順位を上げた北九州。『さあ大地を踏みしめて風のように、走れ汗と涙を胸に――』。あの歌声が轟く。北九州の星たち、北九旋風をここから、また。

   

   

〔J2第16節:北九州vs.大分〕試合前写真・各種コメント

Reported by 上田真之介



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