〔J2第20節:北九州vs.岡山〕レポート:小松がJ2通算50ゴール。小手川のロング弾でスタジアム沸騰も、メンタルに課題山積み

  • 明治安田生命J2
  • 第20節
  • 北九州
  • 岡山
  • 2分 小松塁(北九州)
  • 10分 押谷祐樹(岡山
  • 32分 押谷祐樹(岡山)
  • 41分 片山瑛一(岡山
  • 49分 小手川宏基(北九州)
  • 本城陸上競技場
  • 2015年6月28日 18:03

 1点差というスコア以上の『敗戦感』を覚える試合になった。6試合ぶりという久々の黒星がその理由の全てというわけではないだろう。相次いだはミスは守備も攻撃にも現れ、北九州は勝ちゲームの流れを呼び込めなかった。

 もちろん90分にわたって苦しんだわけではない。立ち上がりの2分、岡山のロングフィードをはね返した北九州は風間宏希がふわりと縦パスを入れると、小松塁が抜け出して先制ゴール。「動き出したらすばらしいボールを出してくれた」と風間を称えた小松はこれがJ2通算50ゴール目となった(J1・J2通算では58得点)。ところが、このゴールのあとに落とし穴が待ちかまえていた。

 10分、岡山は中央突破でゾーンをこじ開けると千明聖典が左サイドに展開。受けた三村真がすぐに低いクロスで戻すと、押谷祐樹がそのまま振り抜いて同点の一撃を放つ。さらに32分にも再び押谷がゴール右隅に鋭く決めて逆転に成功。41分にはCKを片山瑛一が鮮やかに頭で合わせて点差を広げていく。北九州守備陣は人数こそ揃っていたが、「ボールに対するアプローチとプレッシャーがゆるかった」と柱谷幸一監督。北九州らしからぬ連続失点でリズムが崩れると、攻撃も縦パスが繋がらず、危険なゾーンに入れても安定を取り戻した岡山の最終ラインを突破できなかった。

 それでも諦めなかった北九州。まだまだ勝負に出られるという意志を示したのが小手川宏基だった。後半立ち上がりの49分、小松のポストプレーから約25メートルのロングシュートを左足で決め、落陽とともに沈みつつあったスタジアムが一気に沸き返った。「コースがあったので思い切り打った。あれ(ゴール)がきっかけで流れがきたのはあった」と小手川。相手に行ってしまった流れを呼び戻し、北九州はこのあと波状攻撃に出て行く。ただ…。いつもと違っていたのは雑な縦パス、気ばかりが逸る攻撃だった。「早く追いつきたいという焦りは少なからず出ていた」(風間宏希)。アイデアに乏しく、身体を張ってコースを切る岡山ディフェンスからそれ以上の追加点を奪うことはできなかった。

 2-3で岡山が勝利。それでも岡山・長澤徹監督の表情は決して晴れやかではなく、「手放し(の勝利)というわけではなく、今日勝利した意味は次やその次に乗せていかないと意味がない」と厳しく振り返った。失点を喫したのは前半2分と後半4分。勝ちのベールに隠されてはいるが、致命的な時間帯での失点だった。「自分たちでゲームを難しくした分、どちらに転ぶか分からない状況になった」。岡山の現状の攻撃力を考えれば両ハーフの立ち上がりに失点を続けていては、勝点3は掴み損ねてしまうだろう。改めてゲームをどう開くのかチームとして確認しながら次戦に繋げたい。

 そして北九州。「1失点に抑えていれば自分たちの流れに持っていけた」(前田和哉)という悔しい思いはピッチ上も、スタンドもまた同じだ。
 90分のサッカーでは相手のスーパーなプレーや『事故』のような得点で1失点することはある。たとえば今節の3失点目のシーンは北九州DFが交錯したところをヘディングで押し込まれたもので避けるのは難しかった。他方、1失点目と2失点目はボールにアプローチするなり、コースを切るなりゴールに向かわせない手は考えられた。緩みや人任せになっていたメンタルがあったかもしれない。点差以上の敗戦感はこうした部分にも依る。ゲーム中に選手自ら修正し力をぶつけていく強いハートを取り戻したい。

 もう一点指摘すれば、今節を担当した清水修平主審はリスタートポジションに対して厳密で、スローインで正規位置に戻させる場面が何度もあった。これはゲームの公平性を保つためにも、クオリティそのものを上げるためにも歓迎すべきこと。こうした主審のゲームコントロールがどうであるかはキックオフから数十分もあればある程度は分かってくるが、北九州は残念ながら後半に入ってもスローインの位置をやり直す場面があった。こういうシーンが重なれば攻撃の機会を一つ失うくらいの積算になる。ゲームを能動的に動かせるのは言ってみればボールホルダーか主審しかいない。ボールホルダーと受け手の関係はどうにでも修正できようとも、主審がどのような倫理観でゲームをコントロールしているかは、やはり、『選手自ら』が感じ取りながらプレーに反映させていくしかないのが実情だ。そういう意味でもメンタルをもう一度リセットし、俯瞰してゲームを眺められる余裕を抱いて次戦の金沢戦に立ち向かいたい。

   

   

Reported by 上田真之介



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