〔J2第20節:熊本vs.讃岐〕レポート:木島良輔の1発で讃岐が5試合ぶりの勝利。熊本はボールこそ握りながらも崩しきれず。

  • 讃岐に敗れた熊本は勝ち点を伸ばせず、20位に後退
  • 明治安田生命J2
  • 第20節
  • 熊本
  • 讃岐
  • 46分 木島良輔(讃岐)
  • うまかな・よかなスタジアム
  • 2015年6月28日 18:05

 最もやられたくない男に、最もやられたくない形で得点を許した。勝点差3の讃岐を迎えた熊本は後半開始直後の46分に1点を失って敗れ、ふたたび後退。得失点差でかろうじて20位にとどまっているものの勝点は21位水戸と並んで18のままだ。「選手達はよく走って、サイドから相手を引っ張り出して崩し、かなりのビッグチャンスは作ってくれた」と振り返る小野剛監督の言葉も空しく響く。

 正確には後半が始まってからわずか49秒のことである。ボランチで起用された園田拓也のシュートを讃岐の守備ブロックで跳ね返し、マーカーを背負ったまま下がってきたアンドレアの落としから、小澤雄希がメッセージを込めて送ったロングフィード。その狙いの先にいたのは、8試合ぶりの先発となった木島良輔だ。押し上げていた熊本最終ラインの背後に抜け出した木島は、初先発でリーグ戦デビューとなったDF岡﨑亮平と身体を入れ替え、キャッチに出てきたGKシュミット・ダニエルも右アウトの軽いタッチでかわし、冷静に流し込む。「恩返しは点を取ることだけ」と話した通り、起用した北野誠監督と、そしてうまスタのピッチに「帰ってくる」ことを待っていた熊本のファンに、6年の時間が流れても変わらない、「らしさ」を見せつけた(もっとも…、待っていたのは帰ってくることだけで、得点までは待っていなかったのだが)。

 失点につながったのはこのほんの数十秒のことであり、それ以外の時間のほとんどで熊本がボールを握っていたことは確か。しかしスタッツにも表れている通り、讃岐の9本に対して熊本は5本とシュート数は下回った。もちろん、相手よりシュート数が少なくても勝つ場合もあれば、どれだけ打っても点にならないこともある。無闇に打てば良いものではない。小野監督が「誰しもにミスがあるスポーツだと思う」と述べたのもサッカーが本来持つ側面であり、それによる失点が起こりうることは、どんなカテゴリーにおいても完全に回避することはできないだろう。

 ただそれによって勝敗が決してしまう以上、可能な限りリスクを減じる策は取らねばならないし、同時に相手のミスを誘い、そのタイミングを逃さず衝く、たとえば前節の先制場面のような狡猾さも必要。讃岐にはそれがあった。左の黒木晃平から低い弾道のクロスが入った12分、養父雄仁からのサイドチェンジで常盤聡、園田、嶋田慎太郎とつないだ14分、中山雄登のインターセプトから齊藤和樹が持ち込んだ34分、常盤と黒木のパス交換で左をえぐった57分、右からの大きな展開を常盤が持ち込んだ60分…。得点の匂いがしたシーンも無かったわけではない。だが相手の隙を突く、隙を生み出す、そのためのボールの動かし方、緩急の変化、加速、工夫ができたかーー。北野監督や交代出場したMF山本翔平の言葉を引けば、それは否である。怖くなかったのだ。

 次節の磐田戦からアウェイ連戦を経てシーズンは後半を迎える。リーグ戦の前半で失った勝点は帰ってこないが、得た教訓や課題、悔しさは大いにあるはず。それらをエネルギーにして、残りの22試合すべてにぶつけるしかない。

   

   

〔J2第20節:熊本vs.讃岐〕プレビュー

〔J2第20節:熊本vs.讃岐〕各種コメント・試合前写真

Reported by 井芹貴志



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