〔J1 2nd第12節:鳥栖vs.甲府〕レポート:リーグ最少シュート数の甲府がワンチャンスを決めて連敗を止める。5試合勝利がない鳥栖は、年間順位で甲府に抜かれ14位に。

  • サポーターの願いはただ一つ。
  • 明治安田生命J1
  • 2nd第12節
  • 鳥栖
  • 甲府
  • 66分バレー(甲府)
  • ベストアメニティスタジアム
  • 2015年9月26日 15:04

「少ないチャンスでしか点を取れないチームが勝つにはこういう戦いしかない。プラン通りの戦い・・・」
この試合後に語られた佐久間悟監督(甲府)コメントが、2nd第12節鳥栖対甲府戦の総括になるだろう。
放ったシュートは、鳥栖の12本に対して甲府は半分の6本。CKやFKなどは圧倒的に鳥栖の方が多かった。
それだけ鳥栖がボールを支配し、甲府陣内に攻め込んでいたわけで、得点の匂いがしていたのは鳥栖だった。 しかし、結果は甲府が66分に先制点を挙げてそれを守り切った。
サッカーは、データで語るものではないと痛感させられる。

この試合は、時系列で振り返るとわかりやすい。簡単ではあるが、監督のコメントを引用しながら振り返ってみたい。
前半は、お互いに無理をせずに前線にロングボールを送りながら時間を使った。鳥栖のシュートは3本、甲府のシュートは1本と淡々と過ぎていった。
大きな動きが出てきたのは62分。MF水沼宏太(鳥栖)がDF吉田豊(鳥栖)に代わりピッチに入ったあたりからである。
「サイドから崩しにかかろうと左のワイドに金民友を回し、水沼宏太をトップ下に入れた」(森下仁志監督/鳥栖)意図での判断だった。
それまでの金民友は、甲府DF裏に飛び出し決定的な場面を迎えるなど、フィニッシャーとして甲府にとっては嫌な存在であった。
ここに状態が上がってきた水沼宏太を入れてパワーを増す判断だった。金民友は、クロッサーとしてチャンスメイク側に回った。
そのサイドに回った金民友の前で、66分に甲府がFW下田北斗からボールを受けたFW阿部拓馬が鳥栖DF裏へ抜け出した。 これが起点となり、甲府が先制点をあげた。
負けられない鳥栖は、72分73分と立て続けてスピードのあるFW岡田翔平とヘディングに強いFW豊田陽平をピッチに送り込んだ。
サイドに金民友を配置していたこともあり、前線で走らせても高さで競らせてもいい形を作ったわけである。
一点を追う鳥栖の選択肢としては十分に考えられるものであり、得点につながっていれば森下仁志監督の采配が的中したことになる。

しかし、この采配を読み切っていたのは佐久間悟監督(甲府)だった。
「まずは鳥栖の交代カードを切らせたかった」と佐久間悟監督は試合後に語った。攻められ続けた指揮官は、ワンチャンスで奪った先制点をいかにして守るかを考えていたようで、鳥栖より先に動くことはなかった。
点を取る必要がある方が先に動くのは常道で、佐久間悟監督は鳥栖の出方をひたすら待っていたともいえる。
直近の2試合(第10節川崎F戦、第11節鹿島戦)で、失点していた(点を取らないといけない)ために60分台に選手交代を行ったことを考えると、66分のバレーの先制点と70分過ぎまで無失点で耐えたことが甲府の勝因ともいえる。
80分に「供給源である金民友選手のサイドをまずは抑えること、それから高さを担保する」(佐久間悟監督)ためにFW盛田剛平を、「カウンターで点が取れると試合は決まるので点を取る」(同)ためにFW伊藤純也を前線に送り込んだ。 この後、盛田剛平(甲府)は豊田陽平(鳥栖)にマーク入るシーンも多く、役割をきっちりとこなしていた。
88分には、「ボールの落ち着きどころ」(同)を作るために阿部拓馬を前線に配置し、守備のユーティリティプレーヤーであるMF橋詰勇樹をMF松橋優に代えて中盤に入れた。
直近の2試合とは全く違う展開に持ち込み、シッカリと結果を導き出した。
「少ないチャンスでしか点を取れないチームが勝つにはこういう戦いしかない。プラン通りの戦い・・・」(同)とのコメントに説得力がある。

余談ではあるが、盛田剛平と伊藤純也の交代については、「10分くらい悩んだ」(同)とのことで、この時間が正確であるならば、豊田陽平と岡田翔平がピッチに入る前から悩んでいたことになる。
「あの2枚(盛田剛平と伊藤純也)の交代は究極の選択でした」と佐久間悟監督が自賛するコメントにもうなづける。

置かれている状況で戦い方は変わるのは必定で、それによって監督が選択する戦術も変わる。
「最低でも勝点1」と狙っていた甲府の佐久間監督と先制されてしまった鳥栖の森下仁志監督の試合中に見せた選択は、ある意味では常道であり腹の探り合いの試合であった。
そして、先制点の重みを再認識することができる試合でもあった。

打たないと決まらないシュート。しかし、決まる確率は非常に低い。
決めるためには、精度を上げるか回数を増やすしかない。
しかし、相手があることなので容易ではないことも事実。
サッカーは、得点を奪うことに一番パワーを要するスポーツなのである。

   

   

Reported by サカクラゲン



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