〔J2第42節:北九州vs.長崎〕レポート:昇格後の最多入場者数。後押し受け北九州が快勝。長崎は敗戦もPO圏確定

  • 北九州は渡と寺岡が先発。前田が欠場し、風間がキャプテンマークを巻いた
  • 明治安田生命J2
  • 第42節
  • 北九州
  • 長崎
  • 41分 渡大生(北九州)
  • 67分 小手川宏基(北九州)
  • 81分 古部健太(長崎)
  • 本城陸上競技場
  • 2015年11月23日 14:03

 上位にいるチームに対してどういうサッカーをし、どういう結果を持ってくることができるか。北九州にとって長崎戦は来季の試金石になる試合だった。他方、長崎にしても勝てば自力でプレーオフ出場を決められるゲーム。勝負が懸かった90分になった。

 立ち上がりからすぐ長崎が佐藤洸一のシュートで北九州ゴールを脅かすと、北九州も相手陣内に押し込んでセットプレーのチャンスを連続して手にする。この序盤のように振り子の如く流れの行ったり来たりする展開。耐えるべき時間を耐えると当然のように北九州に流れが傾いた。
 40分、右からのCKのチャンスを得ると、キッカーの川島大地はシュート性の強いボール。これがゴール前をパスして左ポストを叩く絶妙な弾道で、ゴールはならなかったがその瞬間が近いことを感じさせた。直後の42分。ボランチ加藤弘堅のフィードに8試合ぶりのスタメンとなった渡大生が反応する。「自分らしい裏への駆け引きと抜け出し」(渡)で飛び出すと、堅いはずの長崎のディフェンスラインを置き去りに先制の一撃。北九州が先行する。

 試合開始前の時点で6位の長崎は、7位東京Vとは勝点2差、8位千葉とは同3差あり、得失点差の関係から引き分け以上でプレーオフ圏内が確定する。しかし負けてしまうと他会場の結果次第ではチャンスを逃してしまうため、このビハインドを詰める必要だった。ハーフタイムに高木琢也監督は守備に加えて「シュート、縦への意識!」と強く指示。迎えた後半、その言葉の通りに立ち上がりから20分くらいまでは長崎のほうが縦への意識やアグレッシブさに勝り、優位にゲームを進める。56分には北九州のパスミスから梶川諒太、さらには岸田翔平が立て続けにシュート。ただ決定機が続くもいずれも決めきれず、前半と同じように耐えた北九州に再びチャンスが到来する。

 67分、北九州は相手陣内でFKを獲得すると、原一樹とCKでポストを叩いた川島大地がボール際にセットした。タイミングを計って今度は川島ではなく原が鋭く右足弾。6枚の壁を超えたシュートはクロスバーを叩き、こぼれ球を小手川宏基が左隅に流し込んだ。2-0。堅守長崎が11月に入って3回目の複数失点を喫した瞬間でもあった。
 イ・ヨンジェを欠いた長崎にとって2点を返すことは難しく、この小手川のゴールで勝敗はほぼ決した。長崎は81分、CKのこぼれ球から古部健太が1点を返すのみでホイッスル。2-1で北九州が勝利した。

 試合終了とともに気になる他会場の結果も飛び込んだ。
 長崎と北九州の順位に大きく関係していた東京Vと千葉はともに敗戦。この結果、長崎は負けはしたもののプレーオフ出場が決定し、今週末の初戦が3位福岡との対戦となった。試合後の記者会見では高木監督は険しい表情を崩さず、「メンタル面とフィジカル面の調整は絶対にしなければいけないが、もちろん相手が福岡さんなので、そのための準備はしなければ勝てないと思う」と話した。
 北九州は最終順位が7位となり2年連続で1桁順位を達成。J1ライセンスがない中で、同様の境遇にあるチームを圧倒的に上回る順位でのフィニッシュとなった。また小松塁は18ゴールで日本人としてはJ2トップに立ち、その小松も寄与して得失点差は2012年以来3年ぶりにプラス。さらに入場者数8501人はJ2昇格以降の最多を記録した。多くの人が見守る中で強いチームに勝利し、試金石となったゲームには十分な成果があったと言えるだろう。柱谷幸一監督は「今年も(入場者数が)苦しい状況というのは分かっていた。そういう中で今年の最終戦、就任3年目にして初めてホームでできる。その中で勝てた、いいゲームができたのは来シーズンに繋がると思う。今日来てくれた人が来シーズンの開幕戦に来てくれたら嬉しい」と笑顔を見せた。

 チームは来年、J1へのチャレンジが可能になる。無理に背伸びをせず着実に大きくしていく姿勢に変わりはないものの、「来シーズンは現体制での集大成を目指すようなプレーをしたい」と柱谷監督も意を決する。
 コンディション面のために出場を見送った前田和哉に代わり、キャプテンマークを巻いたのは風間宏希。ゲームの心臓部たる7番が凛として取材に応じた。「自分たちで試合を決められるようなゲーム展開ができれば上に行ける。9位から7位に上がったのでいい終わり方はできたが、自分としてはもっと上を目指せたと思う。これに満足せず、来年はもっと上を目指していきたい」――。J1を目指してわくわくし、どきどきするシーズンの初戦まで3カ月と少し。そんなに待つことなく1年はまた幕を開く。現状に満足せず、過去に消えたシーズンを振り返らず、ただ前を向き、消えぬ向上心を持ち、また本城に帰ってくる。

   

   

〔J2第42節:北九州vs.長崎〕各種コメント

  • 長崎サポーターからギランに贈られたペーパークラフト

Reported by 上田真之介



広告のごあんない
ニュース 月別アーカイブ 最新のニュース サイト内検索



  • trinita.eye
  • kumamoto football journal
  • オラデジ