〔J2第2節:北九州vs.山口〕レポート:関門海峡ダービー第1戦 山口・岸田が決勝ループ弾。北九州は「甘さ」露呈、スコア以上の完敗

  • 勝利のダービーフラッグを授けられる島屋八徳(山口)
  • 明治安田生命J2
  • 第2節
  • 北九州
  • 山口
  • 19分 岸田和人(山口)
  • 本城陸上競技場
  • 2016年3月6日 15:33

初の関門海峡ダービーは山口が優勢にボールを動かし、岸田和人の決勝点で勝利。特製のフラッグを掲げたのは、北九州市出身で山口のゲームキャプテンを務める島屋八徳(やつのり)だった。

北九州は「自分たちがライン操作する中で、コンパクトな形を作りたいのはあったし、できるだけ前で攻撃しようというのがあった」(柱谷幸一監督)という狙いがあり、前のめりにゲームに入ったが、前でボールを奪いきれなかったことと、背後のスペースを簡単に与えすぎたことで、序盤からピンチを招く。

前週のホーム開幕戦で勝点1を得ていた山口は、連係面を磨いて北九州に入った。そうして繰り出したのは2つのサッカーだった。一つは狭いスペースを厭わずにボールを繋ぐお家芸のパスサッカー。もう一つはパスに拘泥せず、岸田和人や福満隆貴のスプリントを活かして、広い背後のスペースを狙った。開始早々から北九州ゴールを脅かし始めると、19分、望月嶺臣の縦パスに岸田が絶妙な駆け引きから抜け出して、GKの頭上を行くループシュート。「GKが出ていたのも見えたので、冷静に上を越せれば入るなと思って冷静に流し込みました」。そう話す岸田の鮮やかなJ2初ゴールで山口が先制する。

その後も主導権を握ったのは山口。「自分からしたらまだまだラインの低すぎる場面が多かった」(宮城雅史)と山口側も低さという点でライン設定に反省点を残すが、低い位置からでもボールを繋ぎ、あるいは相手の最終ラインの裏を狙い、いくつものチャンスを作っていく。その一方で北九州は同じパターンで崩されながらも修正ができず、今季初先発のFW大島秀夫に当てたボールも、サポートが遅れて自分たちの流れに持って行くことができなかった。

後半、北九州は本山雅志を投入。本山は「ファーストディフェンダーの寄せが早かったので、そこをしっかり外すことがまずは大事だろうと思った」と話し、実際に緩急織り交ぜた駆け引きで、アプローチに来た選手を交わしていく。ところが、流れを引き寄せられるかに見えた矢先、北九州は寺岡真弘が2枚目のイエローカードで退場。一人少なくなってしまうと攻撃は勢いを再び失ってしまう。最終盤、途中出場の小谷健悟が山口のクリアミスからGKと1対1のビッグチャンスを作ったが決めきれず、関門海峡ダービーは0-1でゲームを閉じた。

「北九州らしさ」なく、厳しい結果

北九州は1点差を詰められなかった責任を、寺岡や小谷に押しつけることはできない。ラインコントロールのまずさは述べてきた通りだが、山口の攻撃を中盤までで止めることができず、結果的に最終ラインの負担が重くなったのも事実。たまたま寺岡が2枚のイエローを食らったまでで、十分に他のDFが退場となっていた危険もあった。小谷に関してもそうだ。前線のコンビネーションが噛み合わずにシュートチャンスそのものが少なかった。90分の中でいくつかのチャンスを作りながら、1点、2点と重ねるのがサッカー。チャンス1本で1点を決めきるのは、仮にストライカーであったとしても容易ではない。

そうした個の部分ではなく、チーム全体としてボールホルダーへの寄せが甘く、背後のケアも修正できなかったのが大きな課題だ。さらに、風間宏希は「縦に早い攻撃になったので、横パスを入れたりバックパスを入れたり、ボールを持つ時間を長くできれば違った展開にできたと思う」と振り返った。北九州は堅いディフェンスと、風間か花井聖のボランチを必ず経由するサッカーがベース。前へ行こうとするあまり、堅守も、ボランチ経由のパスコンビネーションも、どちらも表現できなかった。ともあれ試合は1週間後には必ずやってくる。修正というよりも、ドラスティックな手の加え方が必要かもしれないが、1週間しっかりと自分たちのスタイルに向き合って次戦に備えたい。

山口にひとつ課題を挙げるならば決定力だ。相手を大きく上回る13本のシュートを放ちながら、ほとんど枠を捉えられず、チャンス数に比してゴールは遠かった。「もう1点追加点を取ることができればもう少し楽な展開になったと思う」と上野展裕監督。岸田和人も「後ろがゼロに抑えてくれたことで勝点3を取れた。去年のように2点目、3点目を取る。そのチャンスはあったので決めないといけない」と話した。とはいえ、山口らしいサッカーを展開し、内容面でも昨季7位のチームを上回った。関門海峡ダービーを制して、J2初勝利。「全員が心を一つにして戦って勝ち取った勝点3なので嬉しい。今後に向けた弾みになった」(島屋)。レノファ史に刻まれる勝点3となった。

   

   

〔J2第2節:北九州vs.山口〕各種コメント

Reported by 上田真之介



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